賃貸住まいの基礎知識を身につけよう!
礼金とは、文字通り住まいを借りる時に入居者が、
一時金として家主(オーナー)に支払う「謝礼金」の位置づけです。
貸主が礼金を設定する目的には「一時金としての収入確保のため」
「修復費用の財源確保のため」「長年の慣習のため」などの名目があるようです。
敷金との大きな違いは、返金されない点と金額の大きさに係わらず、
礼金自体に何ら効力を持たない点です。
敷金の名目でしたら、預けた金額がそのまま「担保価値」となりますが、礼金の場合は、
万一、入居者が家主に対して損害や不利益を与えてしまった場合でも、
礼金による埋め合わせはできませんので注意が必要です。
この礼金の取扱いについては、地方ごとに違いがあるようで全国共通ではありません。
北海道や東北地方では、そもそも礼金という概念自体があまりないようで、
あっても、せいぜい家賃の1か月分くらいです。
東京近県では、戦後から礼金の慣習が根付いており、
家賃の2、3か月分と言った条件を設定することも当たり前です。
関西圏や中部、九州地方になると礼金という名目ではなく
「敷引(しきびき)」という形が一般的になります。
敷引とは、敷金や保証金の名目で契約時に入居者から家賃の5~8か月分程度を預り金として徴収し、
退去時に一定金額を償却(差引)した、残りの分を返金されるものとしています。
いずれにしましても、礼金や敷引と言った制度は、
その地方独特の商習慣によって行われているものです。
昨今では、礼金や敷引に関する紛争もあるようですが、
その取扱いについては自分が住もうとしている場所での商習慣を
事前に調べておくと良いでしょう。
<参考データ>
| 賃貸住宅の各種一時金の市場慣行 | |||
|---|---|---|---|
| 地 域 | 敷 金 平均(月)/ 割合(%) |
礼 金 平均(月)/ 割合(%) |
敷引金(償却) 平均(月)/ 割合(%) |
| 北海道 | 1.4/81.3 | 1.0/5.8 | 1.0/28.6 |
| 宮城 | 0.8/89.1 | 0.7/56.7 | 0.0/0.0 |
| 東京 | 1.6/70.3 | 1.4/57.6 | 1.0/5.3 |
| 神奈川 | 1.6/84.6 | 1.3/66.1 | 1.0/0.3 |
| 埼玉 | 1.6/65.5 | 1.0/60.7 | 1.5/3.4 |
| 千葉 | 1.6/89.4 | 1.2/57.3 | 0.5/0.4 |
| 長野 | 1.0/89.9 | 0.5/49.2 | 3.0/0.4 |
| 富山 | 2.2/88.2 | 0.5/72.8 | 2.3/16.2 |
| 愛知 | 2.7/72.8 | 1.1/41.8 | 1.7/1.8 |
| 京都 | 3.4/58.5 | 1.6/17.6 | 2.8/51.0 |
| 大阪 | 3.2/72.0 | 2.6/53.3 | 3.1/29.9 |
| 兵庫 | 3.7/100 | 3.2/8.0 | 2.8/96.0 |
| 広島 | 3.2/87.7 | 1.3/24.7 | 1.5/1.8 |
| 愛媛 | 3.0/18.0 | 0.5/1.3 | 0.8/10.5 |
| 福岡 | 3.3/93.1 | 0.0/0.0 | 2.6/89.0 |
| 沖縄 | 1.5/82.7 | 1.0/61.9 | 1.0/15.6 |
【出典】国土交通省「民間賃貸住宅に係る実態調査」(2010年3月)